薄毛の種類は一つではない
一口に「薄毛」と言っても、その原因や症状は様々です。日本人に多い薄毛の種類として「AGA(男性型脱毛症)」と「円形脱毛症」がありますが、原因も対処法も全く異なります。
この記事では、AGAと円形脱毛症の違いを分かりやすく解説します。
AGAとは
AGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)は、男性ホルモン(DHT:ジヒドロテストステロン)の影響で毛根が萎縮し、徐々に薄毛が進行する疾患です。
AGAの特徴:
- 前頭部・頭頂部から徐々に薄くなる
- 進行はゆっくり(数年〜数十年単位)
- 遺伝的素因が強い
- ハミルトン・ノーウッド分類で進行度を評価する
円形脱毛症とは
円形脱毛症(Alopecia Areata)は、自己免疫疾患の一種です。免疫細胞が誤って自分の毛根を攻撃することで、突然円形や楕円形の脱毛斑が生じます。
円形脱毛症の特徴:
- 突然、円形・楕円形の脱毛斑が現れる
- 発症が急激(数日〜数週間で脱毛が進む)
- 頭部の任意の場所に発生(前頭部・後頭部・側頭部など)
- 複数の脱毛斑が生じることもある
- 重症例では頭部全体(全頭型)や全身の体毛(汎発型)に及ぶことも
AGAと円形脱毛症の比較表
| 項目 | AGA | 円形脱毛症 |
|---|---|---|
| 原因 | 男性ホルモン(DHT)・遺伝 | 自己免疫(免疫細胞の誤作動) |
| 発症年齢 | 20代以降(徐々に進行) | 10〜30代に多い(突然発症) |
| 脱毛パターン | 前頭部・頭頂部から広がる | 円形・楕円形の脱毛斑 |
| 進行スピード | ゆっくり(年単位) | 急激(日〜週単位) |
| 自然回復 | 困難(進行する) | 軽症は自然回復することがある |
| 主な治療 | フィナステリド・ミノキシジルなど | ステロイド・DPCP療法など |
| ストレスの影響 | 間接的な悪化要因 | 発症誘因になることがある |
見分け方のポイント
自己チェック
AGAが疑われる場合:
- 親(特に父方)が薄毛
- 前頭部・頭頂部の毛が細くなってきた
- M字・O字型の後退が見られる
- 10年以上かけてゆっくり進行している
円形脱毛症が疑われる場合:
- 突然、局所的にごっそり抜けた
- 脱毛部分が円形・楕円形になっている
- 直前に強いストレスがあった
- 脱毛部分の皮膚が正常(赤みや鱗屑がない)
「引っ張りテスト」
脱毛部位の端の毛を軽く引っ張ってみてください。円形脱毛症の活動期では、軽い力で毛が抜け落ちる「陽性」になることがあります(ただし自己診断は限界があります)。
どちらの場合も専門医への相談を
AGAと円形脱毛症は原因が異なるため、治療法も全く違います。自己判断で市販品や個人輸入品を試すことは、誤った治療につながるリスクがあります。
受診の目安:
- 急激に抜け毛が増えた
- 円形・楕円形の明確な脱毛斑がある
- 子供・女性に薄毛が起きた
- 全身の体毛が抜ける
特に円形脱毛症は皮膚科での診断が重要です。AGAについては皮膚科または専門のAGAクリニックへの相談をおすすめします。
まとめ
- AGAは男性ホルモンの影響でゆっくり進行する薄毛、円形脱毛症は自己免疫疾患で突然発症する
- 脱毛パターン(M字・O字 vs 円形の脱毛斑)で区別できることが多い
- 原因が異なるため、治療法も全く異なる
- 自己診断には限界があるため、疑わしい場合は専門医への相談が最善